北海道で家具といえば旭川のイメージが強いが、実は函館にもかつて洋家具製造の営みがあった。1859 年の函館開港を契機とした文明開化の時代、函館でも既製の洋家具修理を請け負っていた。こうして函館に移ってきた指物師や建具職人、大工などが明治20年頃から独自に洋家具の製造を手掛けるようになっていった。しかし昭和9年の函館大火等で店舗や工房がなくなり、職人も函館を離れていき、箱館洋家具の伝統が失われてしまったという経緯がある。現在は、旧函館区公会堂の展示物として残るのみである。 この公会堂が保存修理工事に入るのに合わせて家具類についても修復作業が計画され、その現状調査が行われることとなった。 地域資源としての木材活用を研究テーマとしている者としてはぜひ手伝いたいと願い出て、箱館洋家具データベース作成作業に立ち会わせていただけることになった。調査は函館に移住してきたばかりの家具職人、鳥倉真史氏(くらCra代表)が受託し、採寸、状態確認、写真撮影がその内容となる。資料調査やデータベース作成に加えて、歴史資料に直接触れるというデザイン初学者にとってはこの上ない機会である。そこで、このデザインキャラバンチームで調査に協力させていただいた。 実施は2019年2月6日から1週間ほど。結果としてこの学生たちが、デザインキャラバンのメンバーとして活動することになった。 2/6 9:00から16:00まで撮影 2/7 9:00から19:30まで撮影 2/9 9:00から昼まで運搬 雪の中、みんながんばりました。寒かったね。